娘の2歳の誕生日 アンパンマンミュージアム編
晴れた天気の中を車で走っていた。娘はチャイルドシートでバイキンマンのビニールの人形を抱えている。足をぶらぶらさせて嬉しそうだった。今から大好きなアンパンマンミュージアムに向かうことはもう理解しているようだった。6ヶ月になる息子は珍しく窓の外を眺めているようだった。陽射しが少し顔に当たって眩しそうにしていた。
アンパンマンミュージアムは仙台駅東口の近くにある。周りはビルに囲まれていて青空の占める面積は狭い。そんないかにも土地代が高そうな場所に目的の建物はあった。訪れたのは今回で2回目だ。
近くのコインパーキングに車を停めた。妻は娘と手を繋ぎ、私は息子を乗せたベビーカーを押してミュージアムまで少し歩いた。家を出るのが遅れたので到着したのは11時半くらいだった。12時からショーが始まるので、急いで受付をして劇場を目指した。
劇場は既に満員だった。立ち見OKとのことだったので、そうすることにした。私が娘を抱っこして妻が息子を抱っこした。娘が観やすいように人と被らない場所に立った。
大きな音と共にショーが始まった。まずカレーパンマンが出てきて、しょくぱんまん、アンパンマンと続いた。進行のお姉さんが出てきて、最後にバイキンマンが出てきた。練習通りといった感じでキビキビと歌って踊っていた。
娘はあんまり反応しなかった。漠然とした目で踊るアンパンマンを見つめている。私は抱っこが疲れたので娘を肩車した。すると娘が嫌がったので妻に抱っこを代わってもらった。代わりに息子を私が抱っこした。
娘は多少は笑って嬉しそうにしていたけども、まだ慣れていないといった様子だった。息子は音と照明に驚いていたようで、こちらも反応は薄かった。まぁ、こんなもんだろうと予想はしていた。
ショーが終わると子供達を抱えて劇場を出てパン工場の丘へ向かった。そこでアンパンマンとハイタッチが出来るらしい。丘にはジャムおじさんのパン工場があってアンパンマンがやってくるまで娘はパン作りごっこに興じていた。楽しそうだった。やっとエンジンがかかってきたようだ。人がわらわらと増えてきてドーナツ状になった。みんなアンパンマンを待っていた。
定刻になりアンパンマンがドーナツの中心に向かって歩いてきた。子供達が国民的キャラクターに群がる。アンパンマンは真摯な対応で子供1人1人とハイタッチしていた。娘もようやくタッチ出来た。とても満足気である。このイベントが今日の狙いだったので、達成出来て私も満足した。
13時を過ぎていたのでお腹が減った。レストランに行くことにした。満席だったので、ショップをうろうろして30分程時間を潰して中に入った。
運良く角にある窓際の席に座れた。スペースが広めだったのでベビーカーを気を使うことなく置くことができた。
娘にはキッズランチとバースデーパックを、妻はビーフシチュードリア、私は海老フライオムライスを頼んだ。あとみんなで摘むようにアンパンマンポテトフライを頼んだ。
娘はポテトフライが届くと一目散に手を伸ばし、パクパク食べていた。私が知る中で娘にとって一番優先度の高い食べ物はポテトフライらしい。気持ちはわかる。私も大好きだから。
それぞれの料理が届き、ポテトに夢中な娘に野菜を食べさせながら私達も食べた。ベビーカーの中の息子はグズグズしていたが、少し揺らしてやると泣き止んで、やがて寝た。
席から離れようとする娘を引き戻しながらなんとか全部食べさせたところにバースデーパックがやってきた。
アンパンマンのケーキのレプリカにロウソクが刺さっている。ロウソクに火をつけ、写真撮影をした。娘は上手く息を吹きかけることが出来ず、なかなかロウソクの火は消えなかった。最後は私と妻が協力して消した。
そのあとに本物の小さいケーキがやってきた。不二家とコラボしているレストランなので小さい割に見た目はしっかりしている印象だった。娘は甘いものは大好きなので、これまたパクパク食べていた。妻と私にひと口ずつ「はいどうぞ」とくれた。さっぱりした味で美味しかった。娘はきれいにケーキを全部食べた。これで今日娘にしてやりたかったことは全部出来た。
満足して店を出た。それから、まだ行けていなかったフロアに全部行った。娘はお店屋さんごっこが出来るフロアがお気に入りのようだった。アイスクリーム屋さんを何度もやりたがった。私達も何度も付き合った。
アンパンマンのショーはもう1回行った。娘は1回目より慣れた感じで楽しそうに踊っていた。ハイタッチももう1回行ったが、こちらはあんまり興味がないようだった。おざなりにタッチして帰ってきた。
それからショップをウロウロした。買いたいものは沢山あったけど、それらはじいじばあば達に誕生日プレゼントとして買ってもらうことにした。結局その場で買ったのはアンパンマンのトレーニングパンツとタオルだけだった。
ショップを出たら閉館時間の17時になった。娘はもう遊び疲れていて、わたしに抱かれて眠っていた。最後に眠ったままの娘のおむつを替えて、ミュージアムを出た。空はもう暗かった。そして肌寒い。秋がきたという感じだ。駐車場までは妻が娘を抱っこした。車に乗り込んで家路に着いた。
娘は一日中楽しそうだった。2歳の誕生日に娘の嬉しそうな表情が見れてよかった。2歳の誕生日おめでとう。
娘は最近よく喋るようになった。二語分も使えるようになってきた。そんな娘がこの前ふと何の脈絡もなく「ありがとう」と言ってきた。胸に刺さった気がした。ありがとうなんて一丁前に話せるようになったんだな。娘よ、本当はこっちがありがとうって言いたいんだよ。生まれてきてくれてありがとうな。パパとママは幸せです。