新伝ひろむブログ

思ったことは全部書く

仕事と人生に効く教養としての映画 を読んで

 

 

著者は映画研究者、批評家です。

私はずっとビジネス本や投資本を読んできたので、最近は読書の枠を拡げるべく他ジャンルの本も読むようにしています。文章の書き方やアートに関して読んでいましたが、少し飽きてきたので映画の本を読んでみました。たまたまKindleのセール対象だったので買ってみました。映画も芸術という点ではアートと同じなので私もとっつきやすいかなと思ったからです。映画は劇場ではあまり見ませんがAmazonプライム・ビデオでちょこちょこ見てました。最近は子育てで時間がなく見れていませんが。

本を読んでみると買って正解だったなと思いました。ただ漠然と映画を見ているだけでは気づけなかったことをこの本は教えてくれたと思います。

 

まず、映画を見ることで感情の起伏を経験し、内省を深めることができます。作中の登場人物達の人生を疑似体験することによって自らの感情の動きを知ることができ、それをコントロールすることで感性が磨かれていきます。

映画のテーマは様々なものがありますから、分かりやすく映像として捉えることでその知識を深めるきっかけになります。

映画というのは一流の美術スタッフがその場面にもっとも適した小道具や衣装を用意して、登場人物や舞台を飾り付けています。それらを見続けることで美的感覚が磨かれてオシャレになります。

外国映画を見続けると生活様式や建造物など外国の文化に間接的に触れる機会が多くなるので、外国の文化に詳しくなります。

 

映画を見るならまずは古典的な名作から見るといいそうです。なぜなら名作というものは名作であるが故に語り継がれてきたものであり、時の洗礼を受けているからです。視聴後に考察するに値する作品である可能性が高いのです。

1950年代に活躍した日本の映画監督のなかで、現代の人々にも広く知られているのは黒澤明小津安二郎溝口健二の3人です。日本映画ならまずは彼らの作品から見始めるといいと著者は言っています。

ヒッチコックの「裏窓」のようにあえて決定的な場面を見せず、視聴者に想像を促す手法もあるようです。映画は省略の芸術と言われており、いかに少ないコストで本質的な部分を視聴者に届けるか、が重要になっていきます。

 

映画とは監督の想いが沢山詰まっています。ただ思考停止で見ているだけではそれらのものに気づくことは出来ないでしょう。だから監督の秘めた意図を考察することで知識や洞察も深まっていくのだと思います。一度見た後に作品の時代背景や文化を調べることも重要です。調べることで作品への理解がより深まりますし、知識としても自分自身に蓄積されるからです。

そして考察後のアウトプットが重要です。誰かに説明したり、文章を書いてアウトプットすることで記憶に定着して己の血肉となるのです。私がこうしてブログを書いているのもアウトプットの為です。

映画に見るうえで参考になる文献を章ごとに紹介してあるので、それらを読むことでさらに知識が深まりそうです。この本から派生して、様々な芸術作品に行き着くことが出来ると思います。