「民主主義のための社会保障」を読んで
面白かった。良い本。
経済が停滞している理由として投資が足りず供給サイドが弱いという事が挙げられている。
投資を活発化させて供給を強化すると分配が不公平になるが、経済成長の恩恵として分配が最終的に低所得者に届くようになる。(トリクルダウン理論)
だが、トリクルダウンでは格差が是正されず、むしろ拡大する。格差が拡大すると治安悪化するし中間層以下が教育費に投資できないので収入が増えない。すると消費も減るので需要が伸びず経済が停滞してしまう。
要は改善すべきは供給ではなくて需要だと言う事だ。
需要を改善するには高所得者から低所得者への分配を強化し、消費を促して需要を促進する中間層を創り出す。大事なのは活発に消費して景気を下支えする中間層だ。
分配は現金給付ではなく保育や介護等の社会保障サービスの現物給付にする。そうする事で雇用創出にもなるし女性の就労促進に繋がる。
これからの私達に出来ることは増えていく社会保障費に対抗する為に労働者人口を増やしていく事と生産性の高い働き方をする事だろう。
労働者人口を増やす為には男女共に仕事と家事育児を両立していかなればならない。
生産性の高い働き方はそれぞれが主体的に考えて無駄を排除するという意識をしないと達成できないだろう。